FXで「勝てる手法」を何も持っていない、というトレーダーは、今回紹介するエリオット波動だけでも覚えておくと、ちょっとはマシになる。
FX相場という戦場の中で、丸腰で戦うのか、それとも銃の一つでも装備して戦うのかくらいの差がある。
当然、後者のほうが生存率は上がるし、前者はすぐに死ぬだろう。
FXをナメないほうがいい。素人の独り善がり手法ではなく、しっかりとプロのツールを使ってチャートを分析する。そうすれば勝ち組トレーダーへの道が見えてくる。
エリオット波動は使えない? FXで勝ててない人の2つのパターン
エリオット波動と聞くと
「んなもん使えねーよ」
と大声で怒る人がいる。そのくらい嫌悪感をあらわにする人とか、エリオット波動を紹介していると胡散臭い目で見る人がいる。
そういう人は2つに分類されると思う。
1.食わず嫌いトレーダー
エリオット波動の浅い部分までしか学んでおらず、自分で過去チャートで検証もほとんどやっていない人。
たったそれだけの見識で
「んなもん使えねーよ」
と怒鳴り散らす人。
トレーダーがトレードスキルを向上させるのに必要な、重要な要素の一つに素直さというのがある。トレードを上達させてお金を稼ぎたかったら、もっと素直になったほうがいい。
2.エリオット波動、それしか知らないトレーダー
これもよくあるパターン。
エリオット波動を1つ知って相場のことを全て理解できるようになる。そんな夢のような手法・理論など存在するはずがない。勘違いしないほうがいい。
例えばね、大工さんが家を作るのにトンカチ1本しか使いませんか?
んなわきゃないよね。
あれもこれもそれも、いろんなプロの道具を駆使して大工さんは立派な家を建てる。
FXトレーダーの仕事は「シナリオを立てること」。
シナリオを立てるのに、エリオット波動しか使えないんだったら、そんなトレーダーは「使えない」。
よくいるよね。
「私はMAしか使いません。」「私はトレンドラインしか使いません。」「シンプルトレードが信条ですから。」
んなもん通用しないから。そんな武器が少なくて、アンタどうやって「様々な相場に対応するんだ?」って話。
FX界隈にはそんなトンチンカンな素人が多くいる。ほんと、不思議な話だよ。
【FXで勝つためにこれだけ覚えとけばいい】 エリオット波動の定義と基本的な使い方、その他注意事項を説明するよ。
これは上昇のエリオット波動。つまり「上昇トレンド」だ。
今回は上昇のみ扱う。下降の場合は逆に考えれば良いだけ。
0→1の部分が「1波」、1→2が「2波」、2→3が「3波」、3→4が「4波」、4→5が「5波」だ。僕が運営しているFX勉強会ではこのような書き方をする。波の起点には0番を付ける。
エリオット波動、1波から5波までの特徴を解説する
- 1波・・・いきなり始まることが多い。いきなり垂直に上昇することが多い。
- 2波・・・上昇トレンドの調整の動き。1波は真っ直ぐな波になることが多いが、2波はジグザグの動きになることが多い。
- 3波・・・3波は一連の1波~5波までで、最も力強く長く上昇する部分。なので、「3波で買いましょう」とよく言われる。
- 4波・・・2波とか4波の偶数の波は「調整」。2波と同じようにジグザグの動きになりやすい。
- 5波・・・トレンドの最後。3波のように力強くはなかったりとか、3波の高値を抜けていくとは限らない。そんな動き。5波までで一連のトレンドが終了し、その後の新しい局面に繋がっていく。
ここまでが各波の基本的な特徴。
また、ネット上の情報や本に書かれていることで諸説いろいろあるが、僕とか僕が教えているFX勉強会で使っているエリオットの定義では「1波の高値で4波が止まり、そこから上昇し5波が発生する」というのがある。
上記のことだけ覚えればいい。
その他、難しいことは覚える必要は無い。(仰々しい内容を覚えたって使えない。)
大切なのは、エリオット波動の「ほんとに重要な所」「ほんとに使える所」だけを覚えて、
あとはそれをどうやって環境認識やシナリオ作成に活かしていくか、
ということ。
この先は、例え話とか具体例を挙げて見ていく。
エリオット波動の使い方を、もうちょっと詳しく。
エリオット波動の1波
1波は「捕まえるのが難しい」。
1波が発生する所で買えれば良いが、例えば、1波が始まる前が下降トレンドの局面だったとして、そこから上昇1波が始まりました、と。
そしたら、1波は「どこから始まるかわからない」。いきなり上昇が始まったりする。1波の上昇を逃したからと言って
あぁ~逃しちゃった!
と嘆く必要はない。全くない。
エリオット波動の2波
2波はジグザグの動きをしやすい。
よって、目先で下げてきているからといって、メインの上昇の動きとは逆張りの売りを安易にしてしまうとジグザクの動きに巻き込まれて痛い目を見やすい。
エリオット波動の3波
後で実際の相場での具体例を出すが、2波のジグザグの動きの後で3波の根っこからの買いのタイミングを捕まえられることがある。
3波での買いが最も「オイシイ」。
1波が出たら2波を待ち、そして3波を捕まえる。
これは僕だけが言っていることではない。ネット上の勝てているFXトレーダーや、様々な本などにも書いてあることだ。それは正しい。
エリオット波動の4波
偶数の波。これは2波と同様にジグザグの動きをしやすい。
よって、安易に売ると上下する値動きに巻き込まれて細かな(下手くそな)損切りになりやすいので注意する必要がある。
エリオット波動の5波
4波が終わって5波で買おう!というときは、1波の高値で4波の安値が止まることが多々あるので、そこから買えば良い。
利食いはどこかといえば、「3波の高値」である。
5波は3波の高値を必ず上抜けていくとは限らない。だから3波の高値付近を利食いの目安とする。
FX全般において、エリオット波動において、「ブレイク手法」は危険
「ブレイク手法」というのがある。
例えば、1波の高値を抜けたから買いましょう、3波の高値を抜けたから買いましょう、というもの。
それはお勧めしない。FX勉強会でもお勧めしていないし、そんなことをやる人はいない。
一番良いエントリーポイントは「2波を待って3波の根っこで買う」というのが最も安全。
特に、最もやってはいけないのが「3波の高値を抜けてから買うこと」。
なぜかと言えば、先ほど書いた通り、5波が3波の高値を抜けていく保証はどこにもないから。3波の高値というのは5波の根っこで買えた人が「利食う所」である。
利食う所でノコノコと買うバカは(負け組トレーダーしか)いない。
エリオット波動、実際の相場での具体例を出して説明する。
上記画像はポンド円の4時間足チャート。
これはエリオット波動で見ると、どのようになっているかといえば
こうなる。
実際の相場では、先ほど解説したモデルケースの通りに100%完璧に従うわけではない。
例えば画像の2波(1→2)の部分。
2波はジグザグに動きやすいはずなのだが、ここでは直線的にすんなりと終了し3波が発生している。
また、
1波の高値で4波の安値が止まってねーじゃねーかよ!クソ野郎
と怒る人も出てくるかもしれないが、実際の相場は100%モデル通りにはいかない。そんなことは当たり前。
エリオット波動の定義に従ってキチンと相場が動くことが重要なのではない。「ということは・・・」
モデルケースに従って実際の相場が動くことが重要なのではない。
「今回は 1波の高値を4波が割り込んできました。ということは・・・」と、未来の相場に繋げていくことが重要。
あれれ~?おかしいぞ~?
と気がついて、そこから未来を推理したり、シナリオを立てるのに活かしていくのが大事。我々トレーダーは未来が上がるか下がるかの「当て物」をして稼いでいるわけではない。
5分足で細かなエントリータイミングをはかるのにも、エリオット波動は役に立つ
これはポンド円の5分足であるが、この中に明確なエントリーポイントが1つ隠されている。わかるだろうか?
正解は
これ。
直前の相場がググッと垂直に急上昇し(これはエリオットとは関係ないのだが)、その直後に小さく下降の5波まで出て下げている。
赤の矢印の部分が買いのタイミングで、その後上昇していっている。
FX勉強会の参加者もこのポイントで買いで取れた人が多くいた。
ただし。
これは単なる「法則」ではない。
勝てていない素人FXトレーダーは、なーんも考えずに「聖杯」を欲しがる。それでは一生勝ち組トレーダーにはなれない。
そもそもここは買う相場なのか、というのが大事である。
例えば1時間足や4時間足で何か強いサポートがあり、5分足でそこから上昇している、だからこのタイミングで買おう、ならわかる。(例えば、ね。)
そうではなくて、5分足しか見ていなくてエリオットの形が出たから買おう、ではお話にならない。その辺はよく考えなければいけない。
エリオット波動について、これ以上難しい知識を詰め込んだ所で勝てるFXトレーダーにはならない。
最後に。
Wikipediaに載っているエリオット波動のページの一部を見てみる。
エリオット波動は誰が提唱したとか、そんなことを覚えてもトレードでは一銭も儲からない。
画像の下のほうに載っている複雑な図形を見て覚えても同様。
僕が見ても何がなんやらわからない。
覚えるべき基本的なことは、今回の記事に全て書いた。
あとはFXで勝つために何が大事か? それは「検証」である。勝てないトレーダーほど検証しない。知識だけ詰め込んで、適当にFX口座を開設して現ナマ突っ込んで 、勝手に損失を出す。
んなもん、勝てないのは当たり前だ。